災害弱者の「福祉地図」 




 1995(平成7)年6月 災害弱者対象の「福祉地図」事業を創設。住宅地図による把握を開始しました 
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 1995(平成7)年6月に、災害弱者を対象にした、「福祉地図」事業を開始しました。


 「福祉地図」を始めたのは、阪神・淡路大震災の際、神戸市でのボランティア体験がきっかけです。

 災害時、一人暮らし高齢者、二人暮らし高齢者、寝たきり高齢者、重度障害者の方々は、より早い支援が必要になります。

 しかし、その地域に不慣れなボランティア等は、住所番地だけを見て、家を訪ねることが出来ません。

 そこで、一目で、災害弱者の家が分かるように、市販の住宅地図を利用することを考えたのです。


 「福祉地図」は、阪神・淡路大震災発生の年である1995(平成7)年6月に、宇奈月町民生委員児童委員の協力を得て、開始しました。


 事務局から、住宅地図を4部準備し、民生委員・児童委員に渡します。

 民生委員・児童委員が、住宅地図へ災害弱者別に、蛍光ペンで色分けをします。

 一人暮らし高齢者宅は青色、二人暮らし高齢者宅は赤色、寝たきり高齢者宅は緑色、重度障害者宅は黄色などとです。

 1部は事務局で保管し、残りは、事務局経由で、地区社会福祉協議会、町役場へ届けられます。


 災害弱者宅が色別されている「福祉地図」を見るだけで、地域外から来たボランティアでも、簡単に、その家を訪れることができます。

 担当の民生委員・児童委員も、自分が記載した「福祉地図」を見ながら、漏れなく、災害弱者宅を、安否確認などで訪問することができます。


 町全体の「福祉地図」は、事務局と町役場が保管。

 地区全体の「福祉地図」は、地区社会福祉協議会が保管。

 民生委員・児童委員は、自分の担当地区の「福祉地図」を保管。

 もし、「福祉地図」を保管している人が被害にあっても、同じ「福祉地図」を保管している人がいますから、それを活用することができます。


 災害発生時、地域の地理を知らなくても、「福祉地図」を持てば、誰でも、速やかに災害弱者宅を訪問することができます。


 「福祉地図」は、市町合併後、黒部市全域でも行われるようになりました。


 「福祉地図」のモデルなどはなく、流れなど独自に考え出したもので、名称は本波が考えて名付けました。







本波 隆(ほんなみ たかし)

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