「仏頭」「庭園」完成のごあいさつ |
住職 倉 井 正 則 |
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このほど、念願の二つの事業が完成したことを謹んでご報告申し上げます。
住職が生まれた頃の庭は、中央に池があり南にガヤの老木、西に椿、銀杏の木、北側に銀杏が
そして西側境界全体に竹林がありました。特段の手を入れることなく令和四年に至り、銀杏の
大木を伐採その幹で仏頭をつくり銀杏の存在を長く後世に残すことになりました。
また、かねがね庭を作ることがあれば仏教のことを表示したものをと考えており、思考と会議
を重ね、資金には祠堂・贈五重の浄財を充てました。お蔭様で初期の目的を十分に達成する事が
できました。今後は仏智を頂きながら精進に努めてまいります。
事業推進にご尽力賜りました各位に深く感謝いたします。 合掌 |
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「仏頭」 -仏様の頭の部分- |
仏像製作に当たり風雪に耐えられるか管理はどうあるべきかなど種々思いを走らせました。知恩院勢至堂の「仏頭」を思い出し、仏智を現すに最も相応しいのは、「仏頭」とし銀杏の根の上に安置することと決めました。製作は誰がするのか。大本山清浄華院で木像彫刻講座を開設していることを知り、下手でも住職が心を込めて作成しようと思いました。しかし、月に数回京都へ通うことは現実的でなく指導の佛教大学前田昌宏生に製作を依頼しました。生木のためひび割れが生じ補修の上納入され、堂内安置に切り替え、位牌堂にお祀りしました。 |
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「庭園全景」 -枯山水の池泉回遊庭園- |
中央に岬灯篭を持つ復元を意図した池を配置。周りを飛び石で回遊、織部灯篭と四季の花咲く樹木が鑑賞できます。住職の要望により釈尊が説かれたことを表現した特色ある庭になりました。 |
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「観世音菩薩立像」 -阿弥陀如来の右におられ、慈悲と現世利益を施す菩薩- |
仏像製作に当たり風雪に耐えられるか管理はどうあるべきかなど種々思いを走らせました。知恩院勢至堂の「仏頭」を思い出し、仏智を現すに最も相応しいのは、「仏頭」とし銀杏の根の上に安置することと決めました。製作は誰がするのか。大本山清浄華院で木像彫刻講座を開設していることを知り、下手でも住職が心を込めて作成しようと思いました。しかし、月に数回京都へ通うことは現実的でなく指導の佛教大学前田昌宏生に製作を依頼しました。生木のためひび割れが生じ補修の上納入され、堂内安置に切り替え、位牌堂にお祀りしました。 |
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「二河白道(にがびゃくどう)」 -善導大師の観経疏に説かれる比喩を図化したもの- |
人ありて西に行かんと欲するに、怱然として二河あり。左に火の河、右に渦巻く底なしの河。中に四、五寸ばかりの白い道あり。彼の岸から仏の声『汝一心に正念して直ちに来たれ、我能く汝を護らん。』
善導大師は信仰の導きを私たちに解りやすく説かれ、お念仏を真剣に称える人は細い道を渡ることができました。敢て、釈尊・阿弥陀如来尊像がありませんが、手前には釈尊がおられ、前に進むことを勧め、向こうには諸仏とともに阿弥陀如来が、迷わず極楽世界へ来るよう招いておられます。オブジェは岡田満総代に依頼いたしました。 |
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「須弥山(しゅみせん)」 -仏が住む山- |
人間の五感(眼耳鼻舌身)で測ることがことにできない世界感の山と称されます。この不可思議世界は私の内心にもあり、彼の世界に存在している妙地とされています。人の常識を駆使する愚かさを反省するモニュメントです。因みに当山本堂正面に阿弥陀如来、右に観世音菩薩・左に勢至菩薩をお祀りしていますが、その壇を須弥壇と言います。 |
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「沙羅(さら)双樹(そうじゅ)」 -釈尊臨終地に登場する樹木- |
釈尊は八十歳を迎え最後の旅に故郷「ルンビニ」を目指しました。インドビハールの乾燥した台地は高齢の釈尊には重い負担でした。既に病の身、最後の説法を説き終え、故郷を見ることなく静かに息を引き取られました。御顔と御足には沙羅の樹が木陰をつくっていました。その折り沙羅双樹は時ならぬ花を咲かせ、弟子や老若男女、五十二類の天竜鬼畜が嘆き悲しむ様が涅槃図に描かれています。 |
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