2011年の七夕飾りです。毎年、改観寺にある真竹を1本丸々使って、大きい七夕飾りを作ります。
七夕は、実は仏教と深く関わる行事なのです。
良く言われるのは、七月七日の夜、牽牛星と織女星の二星が、天の川を渡って出会うのを祭る行事・・・ということ
だけですが、実は、「七日盆」と言い、仏教行事であるお盆と深い関係のある日でもあります。
ひこぼしを此岸、織姫を彼岸と譬えたとも言われます。また、七夕飾りをした笹を上げる(ささげる)のは、盆棚に飾る
笹からきているのです。地方によっては、七夕の日にお仏壇の掃除をし、お花を飾り、お盆の準備を始めるところが多い
と聞きます。
今の七月七日は新暦ですが、旧暦の七月は一月ほど遅れますので、ちょうど今のお盆の時期にあたるのです。
お盆を迎えるにあたっての準備はじめの日が、七夕の日だったのですね。
竹の長さは10メートルほどあるでしょうか。見上げる高さです。
〜真宗のお盆とは?〜
お盆の行事は「仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)」というお経がもととなっています。浄土真宗では、お盆のお勤めを
歓喜会(かんぎえ)として勤めます。それは、亡くなられた身近な方や、あるいは遠いご先祖の方々・・。その方々のいのちの
すがたに想いを馳せ、自分へもつづくいのちを感じ、亡き人をとおして、自らが仏の教えに出遇わせていただく尊いご縁とする
ための大切な行事のひとつです。
しかしながら、最近は、盂蘭盆経の教えているところとは違った、迷信的なとらえ方がはびこっています。TV等で報道されている
とらえ方、俗的な見方でそのまま「お盆」の意味を受け止められている方が多い中で、真宗と「お盆」が結びつかないという方
まで出てきている事態になっているようです。
ほんとうに帰るべきところを見失い、翻弄され、さ迷い続けている私たちに、「すでにこの道あり」と呼び返して下さっている、
そんな諸仏の声に耳を澄ましていくのが、真宗門徒のお盆の過ごし方なのではないでしょうか。