作品NO. 001 「千の風になって」

渡辺照宏訳

大空に咲き出でし 光明の蓮華 花びら群れなして四方に飛び散り

むばたまの真黒き闇の海を覆いぬ その真中の黄金の蔵に われよろこびて住む

おお君よ― われを廻りて静かに散る 光明の蓮華


大空になみたちて 風吹き渡る 四方に歌声あがる 四方に生命踊り立つ

虚天に満つ この風情 身に染み渡る この生命の海に沈み

胸に満つ生命を採りて来む 抱く大地 ありとある生命を なべて みなよびよせ

すべての手 すべての足に 振る舞い分け与う歌と香に 意 満ちたり 


われ こよなく うれし われを廻りて裳裾を広げ 抱く大地 

光明よ 君を敬う 我が罪を払え 我が額に父の祝福を置け 

風よ 君を歌う 我が愁いを消せ 身の隅々を撫でよ 父の祝福もて

大地よ 君を歌う 我が望みをみな叶えよ 家を隅なく稔らせよ 父の祝福もて


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